アルファヴィル
ゴダールのSF作品。とりあえずSFだが、びっくりするほど簡素な設定、びっくりするほど普通の街、人々、なぜかそれを「アルファヴィル」というコンピューターが君臨する未来の街として有無を言わさず断言してしまうことで、あっという間に不思議な世界が展開されていく。観客はある時は笑いながら、ある時はアンナ・カリーナの瞳に吸い込まれそうになりながら、この星を冒険する。
いちおう「機械」と「人間性」の対立軸みたいなものが中心に据えられているんだけど、そんなことよりも奇妙なプールの処刑風景とか、あり得ないほど適当なコンピューター描写とか、壁に張り付いて悶絶する人々の演技とか、チープすぎるカーチェイスとか銃撃戦とか、セクシーな第3級娼婦に笑ったり、それら全てを含めて素晴らしい異世界の体験だった。
アンドロイド的美貌への憧憬と、悪夢的管理社会という要素は非常にディック的。そしておそらくは僕が今まで見てきた沢山のSF映画たちにも大きな影響を与えた作品。これを見ずにSF映画をあんまし語っちゃダメだったかも、と今更ながら思ったりした。
※攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第03話 「ささやかな反乱 ANDROID AND I」には、この映画および「勝手にしやがれ」が引用されている。最近「攻殻機動隊」をDVDで見ているところなので、非常にいいタイミングでの上映だった。
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