劇画ヒットラー
水木しげるの「劇画ヒットラー」読了。こんな珍本があったなんて。水木キャラでヒットラーをはじめ歴史上の人物が描かれるだけでも衝撃なんだけど、それがいつのまにかブルーノ・ガンツが演じたヒトラーに劣らぬほどの存在感が出てくるから不思議である。人生の落伍者から独裁者へ、そしてその死までがなんともとぼけた、淡々とした感じで進む。
当時のドイツにインターネットが普及していたらヒットラーは生まれただろうか?もしかしたらもっと急速にナチは支持されたかもしれないとすら思う。そのくらいに人間個人の「意志」は時に脆いものであり、集合化で思わぬ方向へ進んだりする。人間は愚かであるとか、愚かでないとか、そういったことがどうでもよくなってしまう気さえする。水木キャラのヒットラーとその時代を読むと、自分の「意志」というものがなんなのか分からなくなってしまう。なんとなく、ぼんやりとそんなことを思った。
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