サラエボの花
サラエボの花。公開初日に見に行った。岩波ホールにはオシム監督のコメントが壁にかかっていた。皆さんに見てほしいと書いてあった。なんかそれだけで映画が始まる前から泣きそうになったが、映画を見た後は、泣くというよりも爽やかな気分に。泣かせる映画などというつまらないものではなく、涙から立ち上がり、ただただ生きることを祝福するような映画。
冒頭のシーンはとても美しい。眠るように折り重なった女性たち。閉じられた目、目、目。そして目覚め。
そして、とても静かな映画である。ただ時折あらわになる感情の激しさに驚く。ボスニア紛争の傷跡とその再生を描く映画、と一言で言ってしまうことをためらうような、丁寧に母娘(エスマ、サラ)とその日々の生活が綴られていく。お金がなくて苦労する日々。でも働かなきゃね。娘の修学旅行、職場の友人、そして・・・破滅、ともとれるような決定的な告白は、衝撃というよりも単にいつかは二人が着かなければ行けない場所である。そして終盤ちかくのサラがキスするシーンにドキッとする。なんとも悲しく、生々しく、初々しく、いやらしく、そしてエネルギーに溢れている。セリフではなく、あのシーンが全てを説明しているような気がする。
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