book: 2008年2月アーカイブ
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの本は「たったひとつの冴えたやりかた」といい「愛はさだめ、さだめは死といい、タイトルでグッとつかまれる。本書はその2作と比べるとSFテイストは薄めでファンタジー風味。世界幻想文学大賞受賞だそうだ。
wikipedia:ジェイムズ・ティプトリー・Jr.にあるとおり、この作家はその衝撃的な人生の終わりでもって記憶されてしまいがちであるが、そんなこともこの美しい小説の前では余計な情報でしかない。ただし、やっぱり"SF"じゃないのがちょっと残念な気がする。本棚の奥からひっぱり出して来て、随分昔に読んだ「たったひとつの・・・」と「愛はさだめ・・・」読み直そうかな、と思った。やっぱあの2冊は名作です。
こちらのエントリーを読んで、なぜか急に読みたくなり購入。「金持ち父さん」読んだ次の本がこれってのもアレな話だが、これが多分俺の脳内バランスをとるためには必要。お金系の本と比べると、余りのコントラストに目が眩む。
夫の浮気を知り、次第に精神を病んでいく妻。ひたすらに詫び、許しを請う夫。そんな二人の崩壊していく夫婦生活が、延々と地獄のように続く。半狂乱で夫を問いつめる妻。繰返し繰返し、情事の詳細を問いつめる妻。もういやだ、わーっと叫び出し、自殺しようとする夫。それでも妻をなんとか正気に戻そうとする夫・・・壮絶という言葉がこれほど似合う小説もないだろう。
現代でこれを表現するとしたら・・・やっぱり私小説だろうか。いや、これこそブログがいいのかもしれない。2ちゃんに「浮気がバレてウチの嫁がおかしくなってきますた」みたいなスレでもいいかもしれない。なんでもいい。これは魂の実況中継なのだから。
夫婦とはなんなのか?男と女が二人で(そして子供と)生きるとはどういうことなのか?そんなことにやすやすと答えが出るはずも無いが、文字通り殴り合い、部屋でもつれ合い、地べたを這いずり回るトシオとミホの地獄絵図は、いつしか神々しいようなループへと突入していく。驚くべきことに、繰返される「狂気」のスーパークラスは、「愛」なのだ。
これから結婚する人、してた人、結婚しない人、そして全ての夫婦必読の書。
先週の日曜日に読了。自分の中で、1月はお金のことをガッツリ考えよう月間だったのだが、こんな本にまで手を出してしまいましたよ。
何年か前にものすごい売れてた本で、当時はなんでこんな下品なタイトルの本が売れるんだろうと不思議で仕方なかったのであるが、読んでみたら下品というのは違うなと思った。じゃあ高尚かと言うと違うんだけど。まあ、昔の俺がこれを読んでる今の俺を見たらああ何やってんだ・・・と軽蔑することだろう。そしたら、まあ読まず嫌いってのは良くないと思うよ、と言い返す。
それから、金持ち父さんは、金持ちはお金が単なる幻想にすぎないことを知っていると言った。つまり、お金は馬の目の前にぶら下げられたニンジンそのものなのだ。何十億という人が、この幻想にすぎないお金を実体のある「本物」と信じているのは、恐怖と欲望のせいだ。お金は作られたものにすぎない。
てな感じで金持ち父さんが子供にお金のことを教えていく。金持ち父さんとは筆者の友人の父で、貧乏父さんは筆者の実の父のことだった。いいことも書いてあるし、単なる成功者の自慢話にすぎないところもある。でもあっという間に読めるし、ベストセラーになったのもうなづける。
こうした本を読んで共通していると思うのは、読み手をバカにしてるのかと思う程繰返し同じようなことを述べた箇所が多くて、しかも2つか3つしか重要なことを言っていないのに、10も20も素晴らしいことを学んだような気にさせるのが異様にうまい。
筆者は既に充分にお金持ちであるが、今ではお金持ちになる方法、を教えることで更にお金持ちになっている。なんという富の集中。こういった本のおかげで、お金持ちになるための知識(≒情報)は、ものすごい勢いで世界に拡散していくが、富は逆に集中する。というか集中することでしか「富」自体は認識され得ないのだ。そして「富」の価値の維持の為には、常に人為的にハイとローが世界中に溢れて、ダイナミズムを作り出す必要がある。そう思うと、このゲームは果てしなく続くしかなく、それを面白いと思うか、つまらないよ/飽きたよと思うかをまず決めなさい、と言われたような気がした。うーん・・それはちょっと留保、という感じです。

