music: 2007年12月アーカイブ
土曜日の夜。豊田道倫@渋谷O-Nest。2005年は「東京の恋人」発売直後だった。2006年は見に行かなかった。そして今年。
この日は、ほとんどがバンド編成で演奏された。2005年の時は集大成的な感じだったが、今回は「しあわせのイメージ」にグッと焦点が絞られた感じ。"LIFE"の前奏が鳴らされた瞬間、佐野元春と間違いそうなくらい「バンド」な感じがした。(Dr.kyonがキーボードだからってわけではないだろうが)最後の方は、ヤマジカズヒデのギターが唸りをあげて、今まで僕が聴いた「バンドバージョン豊田道倫」の中でも相当な音圧の"移動遊園地"とか、おそらく初めて聴く"ブルースマン300"とか、なんというか、うまく言えないけれどもあんなにポジティブな感じの疾走感とか熱気のようなものは今までになかった感じだと思った。
本編のラストに配置された「カップルシート」はやっぱりポップで、ふとこれはNHKの「みんなのうた」とかに採用されてもいいんじゃないだろうかと思ったが、やっぱりNHKで「フ○ラしたり」はまずいだろうなと思いながら、ちょっと普通のロックバンドみたいに、サビを一緒に歌いたくなったりした。
「カップルシート」の松江哲明監督によるPV。いやらしくってドキドキする。
シガー・ロスの初映像作品。美し過ぎて気を失いそうになる・・と言ったら大げさだが、衝撃的に美しい映像と音楽。呆然と見入ってしまった。
素朴なアイスランド・ツアーのドキュメンタリーだから、割と簡素な撮影&編集なのかと思いきや、異常なまでに丁寧に編集され、音と映像はきっちりとハイ・ファイでハイ・レゾ。
ここで切り取られるアイスランドの風景は、絶望的なまでに寒々しく、シガー・ロスはそこに淡々と彼らの音を刻み付けていく。公民館のような場所で行われるシークレット・ライブ、墨絵のような山、気が遠くなるような青い空に舞う凧、廃工場、アウトサイダーアート、石で出来たマリンバ、行進するブラスバンド、砂浜に残る足跡・・・・そこでシガー・ロスが鳴らす音は、まるで風景から音をサンプリングしてループさせているように聴こえる。この、あまりにも寂しいループの中に、我々は閉じ込められ(あるいは自らの意志で閉じこもり)、その美しさに呆然と立ちすくむ。
ヌジャベスは確かに聴いてて心地良いから売れるのもよくわかるんだけど、その中でもダントツで気持ちいいLuv(sic )のShing02はよく考えたらもうちょっとザラザラした感覚のラップもあって、あの名盤「緑黄色人種」しか聴いたことがなかったなと思い、旧譜を購入。うん、やっぱりよかった。
なんか他にも沢山音源があるみたいで、少し勉強不足でしたね。→Shing02 まとめ
23日の日曜日、RHAPSODY Vol.5 @渋谷Lush。
- and Young...(大阪)
- サイン会(moools)
- ニーネ
- プンクチル
- ザ・ムンズ(小倉)
- ヤマジカズヒデ(dip/qyb)
どうでもいいことだけど、前日は原宿の沖縄料理店で忘年会の後、このライブハウスの近くのカラオケボックスで2次会。金曜日も青山円形劇場だったので、なんと3日連続で渋谷の同じあたりをうろついていたことになる。昔は何があっても中央線沿いで用事が済んでいたのにね。
18:00前くらいにはじまったプンクチルからラストのムンズ(22時過ぎ)まで、全部堪能。プンクチルは以前YouTubeにUPしたNothing to be doneを見た主催の方から声がかかっての出演ということで、ラストにこの曲を演奏。サイン会。衝撃のマイクスタンドパフォーマンス(笑)からはじまり、意味不明の吟遊詩人。ヤマジカズヒデさんはいきなりパラダイスガラージの「移動遊園地」のカバーで嬉しかった。名曲。最後にはTeenage Fanclubの"Everything Flows"でシメ。じーんとしたりして。そしてなにより最後にやったムンズ。いやーいいものを見た。なんと形容すればいいのかわからないけど、とにかくロックバンドだ。
なんか全体を通して、いいイベントを見た感じがする。「自由」は何かはよく分からないけど、音楽を自由にやっている人を見るのはとても気分がいい。
僕がこの人の音楽について書く時というのは、余りにも他のバンドやアーティストのことを書く時と心構えが違うので、困ったことだがこうやって新しいアルバムが発売されたのに、思い入れが強過ぎてうまく言葉が出て来なかったりする。今回もやっぱりなんだかうまく書けそうもない。
ぱっとレコード屋で出会ってぱっと買ったCDではなく、僕が行ったライブやら、手作りのCD-R販売やらで、ひっそりと生まれて、大事に歌われて、大事に聴かれて、流通していた「うた」たちがついに一つのアルバムになったという感じ。前作「東京の恋人」の時も最高傑作だと思ったけど、今回もこれが最高傑作だと思う。常に今が最高なのだ。ファンとしては嬉しい限り。
久下恵夫、上田ケンジ、Dr.kyOnの基本に加えて、ソウルフラワーの奥野真哉まで参加したバンドの演奏は、ドラムが特にものすごくて、全体としては異様なまでにポップだったりして、3曲目の「LIFE」なんて誰のアルバムだったのか一瞬忘れそうになる。あと、いわゆる「必殺の1行」のような切れ味の歌詞が色んな歌に潜んでいて、思わず写経のように書き取りしてしまった。
全部の嘘がばれた時 全部のひとにばれた時
おれはどうしよう 消えればいいか
"夢のはなし"
もう会えないと わかったよ
"LIFE"
2時間だけうつになれば 大丈夫
"軽症"
持てあましてるいのち
"8.11昼"
ふっとした時に僕は死にたくなってしまうのは
悲しみ苦しみではなくて しあわせだから
"雨がやんだ"
大人の世界は吐き気がするほど退屈やんか
"このみ先生"
とくに「このみ先生」は素晴らしい。「自己紹介の時の言葉/わたしは大学時代に文学に没頭して/絶望してあきらめて教師になりました/今思えばイタい女かも」というところが好きだ。
こうやってAmazonのリンクを貼っておいてナンですが、今はユーズドしか在庫がないみたい。僕はどこで買ったかと言えば、もともとはAmazonからのレコメンデーションのメールで購入したものの、何週間経っても「入荷の見込みがたちません」というメールが来るばかりで、仕方なく購入をキャンセルしてタワレコで購入。Amazonでは2300円くらいだったんだけど、タワレコでは3300円くらい。でもまあDVDでこんだけ(全曲のMP3ファイル、FLV、壁紙まで入って)この値段は安いでしょう。(日本発売予定は今のところないみたい)
動物園を貸し切ってのコンサート。ステージ上には巨大なUFO。パーラメント/ファンカデリックの21世紀バージョンか。そしてメンバーとともにステージで踊るのは、スーパーマンやらバットマンやらアメコミのヒーロー、宇宙人、サンタクロースたち(のコスプレしたスタッフやファン)。権利関係がうるさそうなコスプレにはしっかりと丁寧なボカシが入っていて、それがまた何とも言えずチープで不思議な雰囲気を出している。
全編に気も狂わんばかりの愛が溢れている。僕がサマーソニック'06で見たコンサートがそのまま大スケールで行われている。見ながら何度か鳥肌がたった。訳のわからない多幸症に襲われた人々が、"The Yeah Yeah Yeah Song"で"Yeah Yeah Yeah Yeah......"を叫ぶ様子を見ていると、それだけでこっちも全く根拠なく幸せな気分になる。彼らもこんなライブが出来たらもう死んでもいいと思ってるんじゃないかと思う程。風船が舞い、紙吹雪が舞い散る。閃光。拍手。ひたすら歓声。
だけど、コンサート前の映像で、綿密にスタッフと話し合いつつ、ステージ上に神経質にビニールテープを貼付けるウェインの姿を見ていると、どんなバカバカしいアートや音楽も、こうやって実現の為の準備が必要なのだと思い知らされる。準備、準備、準備につぐ準備・・・・そして短い本番。そのはかなさにまた胸を打たれるのかもしれないなあと思ったり。


