FOOTBALL OR DIE
No.15
 FOOTBALL never die
文/ビワコビッチ(1998.11.3)

 今の日本のフットボールをめぐる状況については他のサイトを巡ってみて欲しい。どこも的確な言葉があふれている。目標は明確だ。横浜フリューゲルスを存続させること。J2でも地域リーグでも構わない。クラブが消えるということ、それが出資しているオーナの独断では決められないということを示さなければならない。Jリーグは確かに理念が先行し、現実には横浜フリューゲルスを現状の規模で存続させることは不可能だったかもしれない。しかし去年の清水エスパルスの成功はなんだったのだ?彼らはクラブの危機に直面し、それに立ち向かい、新しく出発した。選手数は最低限度まで切り詰められ、限られた戦力の中で実によく戦っている。全てのクラブが優勝を目指す必要などない。戦力が整わないチームはそれなりの成績を目標とすればよいのだ。しかし「強豪一歩手前」という半端な位置にいたフリューゲルスは(そのオーナ企業は)下部リーグでプレイでするチームなど想像も出来なかったようだ。彼らは資金の不足を「合併」などという企業の仕草で乗り切ろうとした。

 しかしゲームを見続けてきたサポータの考えは違った。6年というプロリーグの歳月はもはや短くはない。彼らは愛する「フットボールクラブ」を持つ、ということの素晴らしさを知ってしまっていた。もしチームの財政が苦しいのなら、ブラジル代表のサンパイオがACミランに移籍しても怒らないだろう。山口や楢崎が移籍もしくは減俸になっても仕方がないと考えるだろう。何よりも大切なことはチームが続いていくことなのだ。鹿島アントラーズからレオナルドが移籍したとき、多くのサポータが涙した。しかし彼らはパリ・サンジェルマンのサポータになったりはしなかった。自チームのアルシンドがヴェルディに移籍したときは容赦なくブーイングを浴びせた。それがフットボールの流儀である。何よりも恐怖すべきことは自分たちが愛を注ぐべき「場所」が無くなることなのだ。フットボールクラブは企業である前に一つの仮想的な場所である。そこで人々は喜び、悲しみ、憤る。その場所は絶対に守らなければならない。

 そのことをスポーツ文化を守るべきだ、という言葉で論じる人がいる。しかし騙されてはいけない。文化とは何か力のあるものに庇護されて生き残るべきものではないのだ。スポーツ新聞は最低のことばかり書いているし、多くのカメラはウジ虫のようにフリューゲルスの選手を取り囲む。(署名活動をする山口素弘に「もうなりふり構っていられない?」と尋ねた人よ、あなたには何か誇りがあるのか?それに答える山口の目は悲しみと怒りと、誇りに満ちていた。)しかしそれを批判するときに「文化を育てなければならないから」というのはウソなのだ。それ自体が持つ力ではい上がれないのなら文化とは言わない。これからもマスコミはフットボールをねじ曲げて伝え続けるかもしれないが、それにはフットボールを愛するものの目で応戦していかなければならない。音楽もそうだし、価値のあるものはなんだってそうだ。フリューゲルス存続の署名は決して嘆願であってはならない。それは自分たちが日本のフットボールを支える、いう決意表明になるものなのだ。

 ヨーロッパのクラブを理想として始まったJリーグは、確かに多くの矛盾を未来への負債として内在していた。「走りながら考える」の典型である。しかしその未来に賭けている人が多くいるのも事実なのだ。過剰な夢想は、夢想で終わるが、Jリーグが夢見た未来は十分に賭けるに値する。10月31日のセレッソ大阪との戦いで、フリューゲルスは7点とった。1点も失点しなかった。選手は1点でもとられたら終わりかのように必死でディフェンスした。僕は涙を隠すサングラスを持って来なかったことを後悔しながらガッツポーズした。スタジアムには子供たちも、老夫妻も、美人のおねえちゃんも、ヨッパライもいた。そのみんながゲームに注目する。そしてチームを取り巻く現実をよそに、彼らのパスワークはとても楽しさにあふれていた。ただボールが人の足を経由して転がるだけのことがどうしてこんなに美しいのだろうかと思った。山口はいくつか決定的なミスパスを犯し、いくつか最高のパスを通した。三浦淳宏は怪我の足をかばおうともせず、スライディングタックルを敢行した。吉田孝行は、合併問題で吐いてしまったというナイーブさでもって3得点した。どうしてこんなにいいチームを無くしてしまおうとするのだろう?後ろの席に座っていた子供は、セレッソのシュートが楢崎に止められる度に「日本代表なんだそーっ!」と自慢気に言い放った。彼の誇りは、僕のものでもある。



Tugboat  (Galaxie 500)

I don't wanna stay at your party
I don't wanna talk with your friends
I don't wanna vote for your president
I just wanna be your tugboat captain

It's a place I'd like to be
It's a place I'd like to be
It's a place I'd like to be
It's a place I'd be happy
It's a place I'd like to be
It's a place I'd like to be
It's a place I'd like to be
It's a place I'd be happy






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