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FOOTBALL OR DIE No.49 |
| ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT |
| 文/ビワコビッチ(2000.5.9) |
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フィリップ・トルシエが解任されるかもしれないという報道がある。もし報道通り、次に西野氏が就任するなんて事態になったらこれはもう笑ってしまうしかない愚行だし、そんな愚行を愚行と思える程度には、日本のサッカーファンもいろんなことを学んできたのだと思う。ゲームに不条理はつきものだ。だけど、そのゲームに臨む準備にまで不条理は忍び込んで欲しくない。だからみんな騒ぐし、騒ぐ様が面白いから新聞は煽り立てる。つまらん構図だとは思いながら、それを無視出来るほど僕は文明から隔絶された場所で生活してる訳ではない。日本サッカー協会がある渋谷まで30分。僕の家からそう遠くないところで何かが決められようとしている。 ほんの少しfootball or dieを休んでいる間にも、僕はいいペースでサッカーを見に行っていた。横浜に2回行って、JFLを戦う横浜FCを応援した。観客はJ2よりもほんの少し多かったりして、昨年同様スタジアムの雰囲気はのんびりしてはいるが熱気がある。東京の青赤のユニフォームに慣れた目に、その白い姿は清々しく映った。昨年よりもより鮮明になったJFLの中での戦力格差は、横浜FCの試合のうちの何割かは、例えるなら日本と香港のような試合にならざるを得ないことを示している。だから横浜FCの目指すサッカーはエンタテイメントたりうる攻撃サッカーだ。リアリズムと根性で成立する東京のスタイルと、(少なくとも表面的には)対照的なサッカーであり、僕のような掛け持ち野郎には随分と都合のいい年になりそうだ。かたや常に攻めつつ得点を狙うサッカー、かたや常に攻められつつ得点を狙うサッカー。そしてどちらも目標がはっきりしているのがよい。今年、福岡や市原がいい試合を続けているのは偶然ではない。「一部残留」という目標がチーム、サポーターの合意によって掲げられているから彼らのサッカーはしぶとくなったのだと思う。アホらしさの極みというべき福岡へのベストメンバー問題での制裁も、逆の意味で福岡を奮い立たせたのではないだろうか?横浜フリューゲルスのときと同様チェアマンは、まるで計算したかのようにマイナスの行動をしては僕らの意識をはっきりさせてくれる。大いなる皮肉をこめてこの人物には敬意を表したい。 前にも書いたことだけど、戦うチームとそれを見守るサポーター、その意識がシンクロしていないゲームやリーグ戦は不幸だ。パスやクリアーやパンチング一つをとっても、その意識がずれていれば拍手にもブーイングにも無感動にもなり得る。4/26の韓国との戦いにおいて、韓国にはそういった意識のシンクロがあり、日本にはなかった。それでも引き分けになりそうな展開で、僕はテレビを見ながらこれを引き分けるなんて日本もしぶとくなったと思った。結果負けはしたが、僕はヒステリックに悲しんだりは出来なかった。僕自身にこの試合に賭ける熱意がないのに、どうして選手や監督を責められるだろう。あのゲームを批判出来るのは、正真正銘のマッドなサポーターと監督自身、選手自身だけだ。フランスでのジャマイカ戦とは違うのだ。 僕がうんざりしてるのは、サッカー協会ではなくて、センセーショナリズムに寄り掛かるマスコミだ。本当に正しい判断なんてものは存在しないし、トルシエを解任したがっている人はその人なりの基準で語っているだけだと思う。そこに様々な議論を成立させることは可能だと思うけれども、そんなことに何か意味があるとは思えない。僕はサッカーにそんなポリティクスを教えて欲しいと思ったことはないしこれからもないだろう。しかし今のマスコミはそんな風にサッカーを見ている。彼らは人事がもっとも重要なことかのように煽り立て、それによってサッカーが構成されているかのような幼稚な言説で僕らを惑わす。もちろん、代表監督が誰かは大切な問題だが、未だに狡猾な話術すら持たない日本のサッカー協会の人々を、適当にしゃべらせては大騒ぎする様を見ると、デビ夫人に群がるワイドショーと同質のものを感じざるを得ない。今更ジャーナリズムを彼等に求めたり、適切な批評の装置として機能してくれなどと願うのは、随分と甘い考えなのだろう。 僕は一日中サッカーのことを考えて暮らしている訳じゃない。そんな人生を送ろうとも思わない。だけどやはり日本代表がいいチームになって欲しいと思うし、そのためにいい監督がいてくれればと思う。協会が論理的な判断(僕にとってのそれは少なくともアジアカップまでトルシエ監督に任せる、ということだ)を下して欲しいとは思うが、そうならなかったからといって日本のサッカーに絶望したりなんかしない。絶望なんかする前に、やることが沢山あるだろうと思うからだ。 なんとなく今の気分にマッチするのはこんな曲だ。KINKSの"ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT"。こんな程度には、僕はやっぱりサッカーに夢中らしい。
The only time
All day and all of the night
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