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FOOTBALL OR DIE No.50 |
| 暗闇から手を伸ばせ |
| 文/ビワコビッチ(2000.5.30) |
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5/27。等々力競技場からの帰り道、こぐま更新係に携帯から電話をかけて、セレッソ大阪と川崎フロンターレの延長戦の様子を聞く。彼はテレビ観戦している。今延長後半がキックオフした、というところで電話を切った直後、再び携帯が鳴った。セレッソが負けたことを知る。そんな風にして、僕が心から憎む数少ないチームである横浜マリノスの優勝が決まった。奴等の優勝にだったら、僕の論理的整合性を多少崩してでも、この語彙がなくなるまでケチをつけ続けることが出来るだろう。クソ面白くもない。(F・マリノスとしては初の優勝です!だって。アホか。)しかし、そんな感情に僕は少し自分でも驚いていた。今までJリーグの(自分に関係ないチームの)優勝にこんなに何らかの感情を喚起されたことがあっただろうか?セレッソと川崎Fはカッコよかった。マリノスはムカつく。全く論理的じゃないけど、そして論理を捏造することくらい造作なく出来るけど、この感覚は大事にしたい。ここを読んでくれてる人なら分かるでしょう。 東京の試合はツライ試合だった。先週の神戸戦でも味わった感覚をまたもや味わうとは。しかしチームは神戸戦の負けから何も学んでない訳ではないようだった。ディフェンスラインの前に、もう一列ディフェンスラインがあるかのようなヴェルディの強固な守備に対して少なくとも2点くらいは入っていてもおかしくない程度の決定機を作り出し、なんとか活路を見いだそうとしていた。センターラインの一対一ではことごとく負けていたけど、工夫しようとはしていた。でも2点目をキムに決められた後は、なんだか徒労感ばかりが感じられる試合になってしまった。まるで走らないヴェルディのやり方は、いろんなチームに東京との今後の戦い方のヒントを与えたことだろう。 すでに各所で話題に上がっていることだから、今更取り上げるのも気が引けるのだが、僕がいたエリアにも「鬱陶しい観戦者」がいた。つまり不甲斐ない内容に怒り、我がチームの選手を罵倒し、審判を罵倒し、いやーやっぱヴェルディ巧いよー、と知ったかぶりし、あげくに3点差がつくとスタジアムを後にする。あまりのレベルの低さに腰砕けになるようなサッカー批評を展開するのが得意技だ。去年だってこういう連中がいない訳じゃなかったが今年はやけに目立つ。(もっと多くのこんな連中に会いたければ日本代表の試合にいけばいい。)別にスタジアムで喧嘩したい訳じゃないから僕は黙っているが、きっとこれからも(東京が苦しい戦いを強いられることも多いだろうから)増え続けるだろう。「金返せー!」等と叫んでる馬鹿もいた。あなたが買ったのは、楽しくて強いサッカーを見せてあげましょう、という引換券だったのかもしれないね。残念なことに僕はそんな引換券がどこに売っているのか知らない。僕がいつも買っているのは、スタジアムの「入場券」だ。そこには大声を張り上げるゴール裏の連中がいる。サッカー観戦者的上流階級のメインスタンド組がいる。僕がいつも座るバックスタンドがある。もしかしたら僕らは一体になって、自分のチームを奮い立たせることが出来るかもしれない、と期待する。そして更には、試合に勝つことだって出来るかもしれないと期待する。その時に放出される熱に、出来るだけ近くで触れてみたいと思うからスタジアムの入場券を買っている。その熱を作る為に、僕はゲームに集中して、なんだか自分でもゲームに参加してるような気持ちになる。でも引換券を買った人は違うんだろう。彼らは金銭に対する当然の対価として、勝利を要求する。選手を仲間ではなく、使用人として扱う。そんなに出来合いのエンタテインメントが欲しいのなら、何か違うことにお金を使った方がいい。この国にはそんな使い道が掃いて捨てる程転がっているではないか。わざわざサッカー場などという不条理の荒れ狂う現場に来ることはない。 今日はなんだかとりとめのない書き方をしてしまっている。諦めて更にとりとめのないことをいくつか。日曜日、横浜FCの試合にはいけなかった。自分がいけなかったの書くのもおかしな話だが、やはり観客数が気になったりする。勿論JFLとしては驚異的な動員が続いている訳だけど、財政的な脆弱なクラブだけに心配してしまう。このチームの試合を見る為の入場券を買うことは、東京の場合よりももう少し切実な意味を含んでいる。クラブを続けていく為の資金、未来への投資でもある。そういった意識を過剰に持ってしまうのは不自然なことかもしれないが、不自然は百も承知で走り出したクラブなのだから仕方ない。ソシオなのに割引を使わずにチケットを買ったりする人が多いってのも凄みのある現実である。試合数が少ないJFL、せめて天気に恵まれますように。 日毎に温度は上昇し、夏が近づいてくるのが分かる。こんな時期にサッカーさせるのは、いい加減やめようよと言いたくなる。でもきっと試合があれば僕は見に行ってしまうのだ。カッコいいTシャツを探し、もしくは自作し、スタジアムに着ていこう。そうそう、等々力で僕に限りない不愉快を与えてくれた男は、超ダサいセカンドバックを抱えていた。間違ってもあんな奴にはなりたくないのだ。
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