リンダリンダリンダ
猛烈な暑さの中、朝から映画。新宿K's cinemaでリンダリンダリンダ。
すばらしい。大好きな映画と言ってしまっていいだろう。
前のエントリーで「ハジケル系の映画」とか「ダメ男映画から女子高生映画への転身」とか、勝手な憶測で書いてしまったのだけど、見事に裏切られた。元気いっぱいで、笑いがいっぱいな映画ではなく、「どんてん生活」「ばかのハコ船」「リアリズムの宿」・・・といった今までのこの監督の映画と、やっぱりどこかで繋がっている。淡々としたリズムがある。
ただ決定的に違うのは、ペ・ドゥナ(=韓国からの留学生ソンさん)という「外部」の視点が明確な存在感をもって作品に乗り込んできたせいで、そこに何らかのバランスを崩す作用があったことだろう。だから「何も起きない」「何も変わらない」世界が、一瞬だけかけがえのないものとして、分かり易く切り取られる。
冒頭、そして最終日前に登場する、映画研究会らしき二人の高校生。とっても寒い哲学的なセリフを女子に言わせてる。要らないと言えば要らないシーンだけど、きっとあのグダグダな感じが、この映画の「説明」なのだろう。
そしてブルーハーツという「異言」の音楽。ブルーハーツとは、童謡のような平易な言葉とシャーマンのような繰り返し、そしてシンプル極まりないドラムベースギターが、聴く者の脳内のスイッチを押す装置だったと思っている。その言葉は、甲本ヒロトが頭を振りながら歌うことで、より「意味」から遠ざかり、僕らの頭の中で反響することで僕らだけの意味を持つ。つまり叫んでいる人間にその言葉の意味など分かっている必要はないのだ。だから日本語がまだちゃんと分からないソンさんがボーカルをとるのに最もふさわしい曲は、ブルーハーツなのだ。いや、ブルーハーツだからソンさんが選ばれたのだとも言える。
最初の方で、ソンさんがヘッドフォンで初めてブルーハーツを聴くシーン。後ろ姿しか映らない。「どうしたの?」「ソンさん泣いているよ?」・・あそこで完全にやられた。その後はずっとやられっぱなし。
バスから映る田舎の風景。さえない音楽スタジオ。「終わらない歌」をバックに、どこか寂しげな雨の降る校舎の風景。ノスタルジーにではなく、その美しさに涙した。
その他雑感。
・ジャージの女がアコギ1本で歌うユニコーンの「すばらしい日々」はとっても良かった。
・すばらしい歌声だった湯川潮音は、湯川トーベンさんの娘だそうだ。びっくり。
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