うつせみ

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キム・ギドクのうつせみを見た。結婚した日に見る映画が、幽閉されている人妻と、留守宅を転々とする青年の物語であるというのも、なんともいい選択だったと自画自賛。

やはり天才。途中からあらぬ方向に展開していくのは「サマリア」のようでもあり、男と女の二人だけの世界という意味では「悪い男」のようでもあり、仙人的という意味では「春夏秋冬そして春」のようでもあり、でもやっぱりどこに連れて行かれるのか予想出来ないのが良い。細部でツッコミどころ満載だというのも、虚構感を出す為に巧妙に仕掛けられた罠なのか、天然100%のなせるワザなのか。とにかくガンガン映画をとっているみたいなのでとても嬉しい。

以下は内容に触れているので、見る予定の方は読まない方がいいと思います。

「サマリア」で、売春してて死んじゃう女の子は、実は主人公の頭の中で作られた妄想なのだという解釈が割と僕は好きで、この「うつせみ」は更にそこから一歩踏み込んで、一体誰が/何が/どこが/現実なのか?というあたりが水墨画のように滲んでいく構成になっている。まるでコントのセットのような空き家が舞台となって展開されていく「虚構」の物語が、どんどんその中心を失っていく様はとてもスリリングだ。そして、世界が異化されることと「笑い」は必ずセットである。映画館で笑い声は聞こえなかったが、僕はニヤニヤしながら見てた。

最後に抱き合いながら体重計に乗る二人。針はゼロキログラムを指している。

解釈1)二人は空蝉の存在。そこに重さは存在しない。

解釈2)青年が物語の冒頭で体重計に乗ったシーンは65キロくらい。奥さんは47キロくらいだった。その後の刑務所生活で男は10キロ痩せて、奥さんは2キロ痩せたとすると、55+45で100。つまり二人合わせてちょうど100キロだったのだ!ぴったり!!すごい!という解釈。

僕としては圧倒的に解釈2)なんだけど、いかがなものか。

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このページは、biwacovicが2006年3月11日 01:27に書いたブログ記事です。

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