ウンコな議論
短くてすぐ読めるが、この書物(及び本文と同程度の長さをもつ訳者解説)の言わんとするところは深くて広い。
世界中のあらゆる場所における事象や条件について何らかの見識を有することが、良心的な道徳的行為者としての己の責務であると信じている人物の場合、その人物が抱く見解と、その人物が持つ現実に対する理解度との間には、きわめて薄い結びつきしかなくなることは言を待たぬ。
まさにブログや2ちゃんが席巻するネット上で「見解」が溢れている現代の為のような書物だ。(実際には本書の原型は70年代に書かれたとのこと)
今日も朝からの会議で「ウンコ議論だなー」などと頭の中で思いながら、ただその直後には自分も同じような言葉を吐き出しているのであり、この知性なき無駄の再生産が何らかの経済的な運動となっていること自体が信じ難いような珍妙な事態であるのだが、もしかするとこの「ウンコ議論」の果てしない排泄行為もこの現代の大きな構成要素なのかもしれないと・・・本文だけでは思えないな。やっぱ解説を読んで思った次第である。
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