ゲド戦記
先週観た映画。ゲド戦記。
「こーころをなににたとえよう」というテルーの唄がしばらく頭の中でぐるぐる回っている。印象的な唄。ただ、それ以外はほとんど観るべきところのない映画だった。
その前に観た「王と鳥」と比較すると、残酷なまでにその作品としての差は明らかだ。寓意とは何なのか?何かを、何かに喩えて語るとはどういうことなのか?そのことを表現出来ない作家は、結局のところ直截的に「意見」や「見解」を語るしかなくなってしまう。ジブリの「ゲド戦記」にあるのはアーシュラ・K・ル・グウィンの本を読んだ感想文でしかない。全ては陳腐なセリフで説明的に語られ、背景はその世界観の未完成度を誇るかのようにボンヤリとしか描かれない。竜は何の象徴としても機能せず、「真の名前」は何の意味もない。この映画においては、見事なまでにル・グウィンが追求した「喩えて語ること」の意味は破壊されている。誠実に作られているが、それだけだ。
監督を責めはしないが、これほどの初心者にこれだけの期待のかかる作品を、それなりのリソースを与えて監督させるプロデュースというのは非難されてしかるべきかもしれない。ただ、映画に惑わされず改めてゲド戦記を読んでみようという気になったので、まあ別にカリカリ怒んなくてもいいかなという気がしている。
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