トゥモロー・ワールド

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土曜日。六本木でトゥモロー・ワールド

素晴らしい。見て良かった。最近はどいつもこいつもクソみたいな「恋人とか家族が死ぬのはとっても悲しいねー」という映画ばっかり作りやがって(そんなの映画に言われなくても分かってるし)、しかもアホ面さげてみんなそれ見て涙流して、ガンガン大ヒットするもんだからみんなサルみたいに同じような映画とっちゃって、もう別に興味ないからいいんだけど、でも映画館で予告編とか見るだけも辟易してたから、こうゆういわゆるスターは使わずに120億だかのメガ予算使って、しかも強烈なメッセージがあって、役者はみんな最高だし、素晴らしいカメラに圧倒されるし、こういう映画を本当に待っていたんだ、という気がする。

現題はP.D.ジェイムスの原作小説通り「CHILDREN OF MEN」。映画冒頭、このタイトルの入り方だけでかなりグッときた。以下はネタばれありなので、興味ある方は読まないよろし。

2027年。人類最年少の18歳が死んだニュースで物語は始まる。子供が全く生まれない世界。世界はほぼ崩壊し、イギリスだけがかろうじて国家の体裁を保っているが、楽に死ねる自殺薬が国から配給されたりしてて、かなりぶっ壊れかけている・・・という設定。

暗い空、冴えない感じの主人公、テロ、不法移民、とてつもない貧富の差・・・どっから見ても絶望的な映画は、主人公のオッサンがひたすら何かに巻き込まれ、そっから切り抜けようとすることでどんどんストーリーが転がって行く。キング・クリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」がかかるシーンはかっこいいのだが、その後のピンク・フロイドへのオマージュ(笑)は最高だった。人間は絶滅しそうなのに、動物たちは割と元気だったり、なんか暗い絵の中に随所にくすっとした笑いがあるのも良かった。手持ちカメラで8分間ワンショットの戦闘シーンばかりが言及されているが、それ以外にも撮影は全編通してハイレベル。常に緊張感にあふれ、世界観は完璧に統一されている。

人が死ぬ死ぬつって、映画でピーピー泣くことに興味はないが、真正面から「絶望」と「希望」について語ってくれる映画がある限り、救われるような気がする。

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コメント(2)

爺茶 :

君のこのレビューを見ていつか見てやろうと思っていたのだけど今日ようやく見ることができた。君が褒めるとおりのすばらしい映画で、特に僕の好きな「リアルな戦闘シーン」がその場にいるような錯覚を起こすほどリアルだった。きっと、自宅でハイビジョン画像で見たらもっとすごいことになるんだろうなと思いながら、ますます映画はヴァーチャルな体験マシンへと進化していると感慨に浸りながら具合が悪くなった。でも8分間の戦闘シーンでは人目も憚らず嗚咽を漏らしてしまった(笑)。デメキングとかかえるのうたとか訳のわからぬ映画の紹介は読み飛ばすのでまた良い映画があったら紹介してくれたまえ。

biwacovic :

わけのわからぬ映画のヤツはどうぞ読み飛ばしちゃってくださいな(笑)トゥモロー・ワールド、ラストの30分くらいは僕の隣もずっと嗚咽状態でしたよ。多分今年ももう残り少ないので、私的ランキング1位はこの映画かもしれません。

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このページは、biwacovicが2006年11月19日 21:10に書いたブログ記事です。

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