墨攻

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来年公開されるアンディ・ラウが主演の映画「墨攻」。原作は日本の漫画。更にその漫画の原作は酒見賢一の同名の小説とのことで、これって正確には小説の方を「原作」と呼ぶべきじゃないのか?と思ったが、先に翻訳されて、映画にしてみたい!と思われたのが漫画だったのだろう。

漫画の方。
墨攻 (1)

小説。
墨攻

戦国時代の中国、特異な非攻の哲学を説き、まさに侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す謎の墨子教団。その教団の俊英、革離が小国・梁の防衛に派遣された。迫り来る敵・趙の軍勢は2万。梁の手勢は数千しかなく、城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのか—史実を踏まえながら奔放な想像力で描く中島敦記念賞受賞作。

戦争を最大の悪事と見なす思想集団でありながら、その構成員は卓越した戦争職人(主に城塞都市を守ることに特化した戦術の)であったというのが面白い。その「技術」は、人心掌握術、組織論にまで及び、戦争という局面(つまりそれは全てのベクトルが「負けない」という方向を目指し、最大限の効率化を目指す極限状態)において)、何が必要か/何が必要でないかを徹底的・合理的に考えたうえでのメソッドとして提示される。

「戦争を最大の悪事である」と定義し、「非攻」を掲げた時点では、この思想は完璧な論理的整合性を持っていると思われる。だがこの思想はその継続の過程において、その思想的論拠を「防御」の技術論の実践的発展に求めた時点で、いづれは破綻する思想へと姿を変えたと言えるだろう。どうやったって「守る」とは「攻める」ことと不可分であるからだ。その意味で「墨守」ではなく「墨攻」というタイトルは実に奥行きのあるものだと思う。

もしも非戦を掲げる憲法を維持しながら激烈な専守防衛の軍事国家となり、更に国防の為の軍事コンサルタントとして他国に人を派遣したりする国があったとしたら・・・まさに現代版の墨家である。なんか村上龍の小説みたいだけど。

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コメント(2)

更新係 :

漫画の方は連載時に読んでた

biwacovic :

漫画より原作の方がクールだ。でも映画の予告を見る限り、漫画版のテイストの色濃い映画のようである。

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このページは、biwacovicが2006年12月 5日 22:26に書いたブログ記事です。

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