スキャナー・ダークリー
先週の日曜日に見た映画。スキャナー・ダークリー。フィリップ・K・ディックの「暗闇のスキャナー」の映画化。キアヌ・リーブス、ロバート・ダウニーJr. ウィノナ・ライダー。監督はリチャード・リンクレーターで、フィルム全編にあの独特のアニメ処理が施されている。
この映画はディックの原作に非常に忠実だ。ディック原作の映画の多くは、最初の着想だけを原作から得て、その後は自由に料理するものが多いのだが、この作品はまさに小説そのまんま。最初のシーンから最後のシーンまで、見事にそのまんまだ。だからこの小説を大切に思っている人であれば、映画を見ても原作の持つバカバカしさや、悲しさが十分に再体験出来る。(原作を読んでない人がどう思うのかは分からない)
この小説は、形式としてはSFでありながらも実際のところディックの他のSFとは違う。現実はひとつだし、ダメ人間たちに救いはないし、どこへも逃げられない。ずーっと色々なことから逃げていた小説家が、唯一現実と向き合うことをやめなかった小説だ、だからがこの小説にはディックのファンたちは「傑作だ」と評価するのである。(ディックのファンじゃない人がどう思うのかは分からない)
この映画は、簡単に言ってしまえばディック信者によるディック信者の為の映画である。。ウィノナ・ライダー演じるドナがいかにもディック趣味(謎めいている/求めても振り向いてくれない)にあふれているところとか、アークター/フレッドが壊れていく「いたましい」というほかない様子だとか、全てのシーンがP.K.ディックの小説を再現するために存在している。
あと、アニメ処理する必要性ってあんのかな?という意見を目にするが、確かに映画を見ながらそれは何度も感じた。スクランブルスーツの表現だって、別にアニメ処理じゃなくても出来るだろうという気がするし、わざわざ有名な俳優を起用した理由が分からない。無名俳優ならアニメ化されててもストレスに感じないかもしれないが、こうやって名のある人が演じていると、どうしても実際にはどう見えるんだろう?と思ってしまう。(ウィノナ・ライダーがヌードのシーンとか特にね!!)まあそれが狙いなのかもしれないけど。
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