叫
日曜日。シネセゾン渋谷で黒沢清の叫(さけび)。
何を隠そう僕はその昔、葉月里緒菜が随分と好きだったのだが、この「当たり役」にはびっくりである。余りにぴったりな幽霊役で頑張る姿には恐怖も感じるとともに「これから幽霊の役ばっかりオファーが来るんじゃないだろうか?」と余計な心配をしてしまった。
以下、ネタばれあり。
途中から、これは"CURE 2"みたいだな・・・と思ったのだが、一応そっち系ではなくこっち系(?)に話がまとまっていったので、ちょっと安心した。ただ同じ役所広司でも「ドッペルゲンガー」はうまい具合にコミカルな味が出てたのだけど、ちょっとこの映画は笑いにくかった。役者で誰か箸休め的存在がいれば良かったかもしれないけど。(というかそもそも笑っちゃいけないのかもしれないけど、ついついツボがあるのだ。葉月里緒菜の飛行のシーンとか、有りえない間取りのオフィスとか、絶対わざとだとしか思えない・・)
この映画には、いったい何が映っているのだろう?少なくとも「この平和な日常を突如として脅かす恐怖」ではない。「この平和な日常」は初めから失われており、それならどうせ世界全体も狂ってしまえばいいのに・・という静かな夢の物語が、この映画なのだ。だから、伊原剛志は、何一つ悪くないのにあんなことになってしまう。いや、「悪くない」などということはそもそも問題ですらない。途中から問題は、「この悪意はどこから来たのか?」から「どうやってこの世界を終わらせるか?」ということにすり替わってしまうのだから。
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