ラストキング・オブ・スコットランド
金曜日。シアターNでラストキング・オブ・スコットランド。
70年代ウガンダの独裁者アミンをフォレスト・ウィテカーが演じて、アカデミー賞では主演男優賞を受賞した映画だ。フォレスト・ウィテカーは「クライング・ゲーム」を見た時にどえらい「善人面」の俳優だなあと思っていたのだが、どんどん色んな役をやるようになって、「バトルフィールド・アース」ではトラボルタとともにヨゴレの宇宙人役までやっちゃって、行くところまで行った感があったのだが、この映画では更に限界を超えた演技を見せている。アミンという独裁者がどのような人物だったのかを、その魅力、悪魔性が実によく伝わってくる。(そしてやっぱり、アカデミー賞をとっても、軍服を着ていても、笑福亭鶴瓶に似ている。)
ちなみにウガンダはアミン大統領に似ていたからウガンダと名付けられ、Theピーズのドラマーだったウガンダはそのウガンダに似ていたからそのままウガンダと呼ばれていた訳で、なんともややこしい話ではある。まあ日本の音楽界にまでアミンは影響を及ぼしているわけだ。
史実をもとにした映画ではあるが、それは主にウガンダ側だけで、青年医師のニコラスをはじめ白人側はほとんど創作のようだ。確かに脚本があまりにも娯楽性十分なので、見ながらおかしいな、ドラマチック過ぎるな・・と思っていたのだが、そこはちょっとズルいという気がする。ウガンダをネタに結局映画としても搾取するイギリスという構図みたいな感じで。
ただし、その脚本がベタながら非常によく出来ていて、おかげでものすごくアミンという人物の多重性がよくわかる仕掛けになっている。魅了されつつ/恐怖する、その関係がゾクゾクするような緊張と混乱の中で見るものに迫ってくるのだ。
被支配者から権力者へ。恐怖と抑圧を受ける側から与える側へ。愛を与える父から残酷に支配する悪魔へ。ニコラスのお気軽なアフリカへの関わり方、権力者への憧憬、そして寵愛の無邪気な享受、そして恐怖と脱出への流れは完全にホラー映画の筋立てになっていて、残酷シーンもたっぷりだ。こういった「光と影」の物語は、実に映画というフォーマットと相性がいい。
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