ブリッジ
ブリッジ。
世界最大の自殺の名所「ゴールデンゲートブリッジ」。1937年以来、1300人もの人がここで自殺しているという。そこにカメラを設置し、実際にジャンプする人を撮影したのがこの映画である。
映画を見ている最中から、そして見た後もずっと、身体にまとわりついているのは、なんとも言えない不快感だ。撮影者たちは否定するだろうが、明らかにこの映画は直接的に「死」を見せ物にしている。(映画というものは多かれ少なかれ「死」を見せ物にするものではあるけれど)そのことに対する不快感というよりも、それを深刻な顔して見に来ている自分自身への不快感かもしれない。
ゴールデンゲートブリッジの下でカイトサーフィンをしていて、自殺の瞬間を目撃した男が言う。「不思議な気分だよ。僕がカイトサーフィンで人生を謳歌している時に、自ら死んでいく人がいるなんて。」彼の表情にはうっすら笑みのようなものさえ浮かんでいて、その「断絶」が僕にはなんとなく理解出来るような気がするのだ。「死ぬと決めた人」との間にある断絶は、いくら深刻ぶってみても、どれだけ周囲の人のインタビューしてみても埋まらない。(橋の映像以外の。家族や友人たちへのインタビューシーンはとてつもなく退屈だった。)
今年で35歳になるが、子供の頃の同級生で3人が既に自殺した。他にも僕が知らないだけでいるのかもしれない。彼らがなんで死んだのか分からないし、自分がなんで生きているのかも分からない。とりあえず映画を見ながら、今夜は晩御飯に何を食べようか、そればかり考えていた。映画館を出たらクソ暑い夏の一日で、あっというまにあの橋のことは忘れてしまいそうになった。
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