ラザロ -LAZARUS-
土曜日。ポレポレ東中野で「ラザロ」。一挙に3本を見る。ラザロとは聖書に出てくる貧民の名で、死後4日目にイエスによって蘇らされたそうである。そしてこれは「格差社会」やその他諸々のこの世界に対して、真っ向勝負を挑むモンスターの映画である。「インディペンデント・プログラム・ピクチャー」とは公式サイトの言葉であるが、まさにその通りの3本だった。
『朝日のあたる家』
シャッターの閉まった店が延々と続く商店街の映像が、まるでホラー映画のように恐ろしい。そして余りにも凡庸で、あまりにも痛切なマユミの「人生」が、暗転/モンスターへの道へ繋がる様が、緊張感に満ちた映像で綴られる。(そしてどうしても自分の田舎のことを考えてしまう。)
『蒼ざめたる馬』
これは福岡の「黒い看護婦事件」が下敷きになっていると思われる短編。マユミさんではなく「マユミちゃん」と呼ばれてるのが面白い。「そんな甘い考えやから、世の中いつまでたっても変わらんねん!」とリアリティを持って叫ぶことが出来る人が、今の日本にどれだけいるだろうか?
『複製の廃墟』
さすがに一挙に3本は疲れてきて、途中何度かボーっとしてしまった。しかも何人かの出演者の演技でさすがにちょっと厳しいかな・・と思ったりして。ただし「贋札」というまさにこの世界の転倒をはかる試みを怪物マユミの次のテーマにするあたりは実にスリリングで、いささか語義矛盾だが「健全な世界の呪いかた」だと思うのである。
こんなに本気な映画を見たのは久しぶりな気がする。なんというか、一つも言い訳や斜めに構えたところがないのだ。インディペンデントだからとか、内輪に受ければいいやという空気は微塵もなく、ただひたすら、毅然として映画であろうとしている。この映画は、この3本で終わってしまうのだろうか?怪物マユミは、もっと暴れるべきではないだろうか?
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