童貞。をプロデュース

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松江哲明「童貞。をプロデュース」を見に行く。

松江哲明監督は、豊田道倫「グッバイメロディー」のビデオを見て、その余りにすばらしさに驚いたのが最初で、それ以来いろんな作品を追っかけているような気がする。ついに大きな劇場で公開となって、しかもシネマロサでは(祝)大ヒットということで、1週間公開が延長になったらしい。今日もほぼ満員でした。

見ての感想。実に面白かった。みなさまお誘い合わせの上是非どうぞ・・という映画である。

童貞1号のキャラというのは、完全な「気持ち悪さ」というよりも、ある種の人間(元童貞たち)の共感とか後悔の念を思い出させるような作りになっていて、余裕のある大人の女性であれば十分に「カワイイ」とさえ評することが出来る気がする。笑いも多かったし、カンパニー松尾さんの言葉なんて、カート・ヴェネガットかと思うほどの素晴らしさだ。そしてラストには素直に感動。

そして1年後、第二部「ビューティフル・ドリーマー」は、もはや童貞映画ではない。梅澤君に「かつての自分(=自意識過剰で、かっこばっかりつけてて、でも誰かと関わらないと寂しくて生きていけない)」のようなものを重ねることは1号の場合のように容易ではない。彼が追い求める「島田奈美」さんは、既に引退したアイドルで、彼は彼女の為に自主映画まで作ってしまい、しかも同時にそのことが彼女から見たらキモイ行為でしかないことを十分に自覚している。

なのに彼はそれを止められない。ゴミ捨て場から雑誌を拾ってきて、グラビアを切り抜き、スクラップブックを作り、休日にはブックオフを巡り、根本敬に心酔する・・・そんな生活を自覚的に続けている。淡々としたその姿に、どんな劇映画でも到達出来ないドキュメンタリーならではの凄みを感じたのは僕だけではないだろう。

嘔吐のシーンは、そんな彼が、現実/ドリーマーの狭間で、どうやって振る舞えばいいのかという混乱から来たのだろうか?それとも単に酔っただけ?ただし、カンパニー松尾「UNDER COVER JAPAN」→山下敦弘「松ヶ根乱射事件」→そしてこの作品と、「突発的車中嘔吐」は今後の日本映画の密かなスティグマになるのではないだろうか・・と密かな愉楽に震えたのである。

上映後のトークショーは松江監督と森下くるみさん。えーと正直に申し上げますと、火曜日のレイトショーをわざわざ見に行ったのは今日のゲストが森下くるみだったからであり、もうその美しさにはいい歳こいてふわーっとしてまったのは内緒である。

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このページは、biwacovicが2007年9月 5日 00:33に書いたブログ記事です。

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