bookの最近のブログ記事
岡田斗司夫著「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)読了。アマゾンのレビューを見ると、驚くべきことにまったくこの本のことが分かっていない人がいるようで悲しくなってしまった。
最後の方は自由経済と独裁者による奴隷経済の比較なども行っているが、結局論点がずれただけで話も非常に退屈で残念です。(経済の話なら経済書を読みます) 〜アマゾンのレビューより
とか、絶望的すぎる。この本はもうちょっとまともな人に読まれるべきだろう。
アニメとか漫画の荒唐無稽な「世界征服」を論じるところからスタートするわけだが、本書の魅力はその跳躍力にある。単なるオタク的衒学ではなく、真っ正面から世界を論じることに辿り着く最終章こそがこの本を読んだことの満足を深く感じさせてくれる。
「自分だけ豊か」はありえるか/「支配」とはなにか というあたりは実にスリリングで、借り物の言葉ではなく、オタク的アイテムを使いながらも、筆者なりの思考の過程が実に面白い。かっこいいことを書こうとして無理したんじゃなくて、「世界征服」のことばっかり考えていたら、実は今の世の中の仕組みについて考えることになってしまった・・という本なのだろう。
僕はこんなふうに、徹底的に「自分の言葉で」「自分の知っていることで」出来る限り誠実に世界を語ろうとする人のことを尊敬する。
村上春樹によって翻訳された、レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」。清水俊二訳の「長いお別れ」を読んだのは大学の頃だったろう。さしたる感銘は受けたような記憶はない。なんとなく読んで、それで終わりだった。
出戻ってきた鴨ちゃんとの最後の日々が描かれる「毎日かあさん」
こうやって商品として、漫画として「日常」が描かれる「毎日かあさん」のような作品で、「書かれていること」と同じくらいかそれ以上に大事なことは「書かれていないこと」だ。(素人が書くブログでもそうだと思う。)
鴨ちゃんの死は、そしてその前の半年間は、あまり多くの紙数を割いて書かれていない。だけど、その書かれていない(だけど家族4人で暮らしている)日々のちょっとした描写に、こぼれ落ちそうなコマの片隅に、コマとコマの間に、なんとなく彼の姿を感じてしまう。一緒に取材した旅に、鴨ちゃんのとった写真に、そして何より幸福そうな表紙の4人に、なんだか圧倒的なものを感じてしまって、泣くことすら忘れてしまいそうになる(結局きっちり泣いたけど)。人生はこのようにして祝福され、そして肯定される(こともあるんだね)。
あのとんでもない未完の傑作「デメキング」の完結版が・・?ということで早速買って読んでみた。
これは正確には「完結版」ではなくて、復刊とか再発と呼ばれる類いのもので、しかもタチの悪いことにラストの2ページが削られて新たに3ページが書き下ろされている。つまり正確には復刊とも呼べない。その3ページに一応の「オチ」があるので「完結版」と銘打っているらしいが、これならもとのまま「未完」でいいじゃないかというのが正直な感想である。(もしくは最初にオリジナル版の2ページをつけ、その後にアナザーバージョンとして今回の書き下ろしページがあれば良かったのでは?)企画をした人には大変申し訳ないが、怠惰なる天才に火をつけるような試みは失敗だったのではないだろうか?
オリジナル版はもう手に入りにくいのかもしれないので、今言ったような不満はあるにせよ、こうやってこの怪作が読めるようになったことは喜びたい。そしてまたいつかの日かデメキングが本当に暴れ出す日を待ちながら、毎日を過ごすことにしましょうか。
↓こんなイベントもあるみたい。
いましろたかし『デメキング 完結版』発売&増刷記念「デメキング☆オールナイト!!」
お、Amazonでは「なか見!検索」やってるね。アルフレッド・ベスターのゴーレム100読了。何も言わず黙って読め、と偉そうに言いたくなるほどの脅威的な面白さ。SFとエロと暴力と衝動と人類と未来と言語実験と狂ったイラストとその他何もかもがぐちゃぐちゃに詰め込まれていて、山形浩生解説による「すべての読者にとってすべてのもの」という言葉が実にしっくりくる・・・というかこの狂った本に対して、こんな普通の言葉で語ることに異様なもどかしさを感じている。こちらのSUGEEEEEEEEEEE!!!「ゴーレム100」は超スゴ本くらい壊れて書いてみたいですよ、と思うくらい。
「虎よ、虎よ!」ももう一回読みなおそうか。読書というのは、色々なやり方がまだまだあるのだということに、気付かされる一冊でもある。
フリーで配布してたゲドを読むを入手。あのジブリ映画の「ゲド戦記」DVD発売の宣伝用、とは言え、タダなんでね。映画はもう批判されつくしたから、いいから原作読んでみてくれと言わんばかりの本。
河合隼雄のゲド戦記評(1978年の「図書」掲載)が良かった。「何もしないこと」が一番いい、それが一番難しい、というのはゲド戦記に繰返し出てくる「均衡」というテーマについての論だが、第2巻のこのシーン
ゲドはテナーを泣くにまかせて、なぐさめの言葉はかけなかった。彼女は泣き止んで顔をあげ、遠ざかるアチュアンの島をながめるようになってからも、彼はなお、口をきかなかった
を評して
なかなかこうはできないんですね、なんか言わんでいいことを一言いいにいったりするから、斬りつけられたりたいへんなことが起こるんですが
と言ったりしていて、はっとさせられる。確かに言葉が必要でないとき、魔法使いは何も話さないのだ。もちろん魔法も出来る限り使わないのだ。それがこの話のヘンなところである。
あとゲド戦記はアメリカの女性が書いているかから、東洋思想の取り入れ方がきっちりしていて堅苦しいところがあるとかも、確かにそうだなあと思ったり。
訳者の清水真砂子さんのインタビューも良かった。ル・グウィンは料理がうまいらしい。しかも素朴な料理。なんとなくわかる話ではある。
更新係とかぶってて気持ちワルい限りだが、先週の土曜日に読んだ漫画。サッカーや酒でやさぐれた体に、猫とコーヒーの日々はじんわりと優しくしみる。でもなんだかんだ言って一番興奮したのは、ぽーんと家を買っちゃうところでした。やっぱ金あるんだなーとか思って。
あと、余りにも出版されたのが前過ぎて、1巻と2巻がいったい本棚のどこにあるのか検討もつかず困っている。奥の方なんだろうな。







