book: 2005年1月アーカイブ
ウチの弟は銀行員で、実家に帰るとやたら金融商品の営業をしてきやがる。こっちは金も興味もないから流してるんだけど、面白いからちょっとケーザイとやらについて突っ込んだ話しをすると、結局よーわからんよな、という結論になってしまう。ケーザイ学部のヤツがそうならこっちはもっと分からんのよ。という訳で、けっこう昔に出た本が文庫になってたので読んでみた。
日本経済新聞社 (2003/11)
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面白かった。そしてやっぱり未来はそれなりに暗いってことやね。
原題は"The Age Of Diminished Expectations"
誰もが大した期待をしない時代。そんな時代にあってさえも、大事なことは単純なことで、まずは武装蜂起すること、革命を起こすことではなく、物事の状況を理解して、なぜそうなのか考えることなのだ。
読み終わって思ったこと。
一つ、ファイナンスなんてバクチの世界に優秀な頭脳が流れていくのは残念なことらしい。笑っていいのやら。
一つ、僕らの親の世代(二次大戦後のベビーブーマー)たちは、もう引退し始めていて、僕らは彼らを莫大な未来への負債で面倒見ることにしているらしく、じゃあ更にその子世代はいったいどうすりゃいいんだ?という暗い気分になれること間違いなし。
一つ、このくだけた文体の翻訳に文句垂れてるレビューがあるけど、これって相当に論理的にすっきりしてる高度な文章だよ。難解な漢字ばかりを使ってるくせに、文章として破綻してるような「固い」アカデミズムの文章作法が好きな方は、体質的に受け付けない翻訳だと思う。
あ、こんな本もあるんだ・・・佐藤雅彦VS竹中平蔵。大臣になっちゃうとみんなにボロカスに言われたりするようですが、この頃は楽しかったんだろうな・・
日本経済新聞社 (2002/09)
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うまねんblog
…おそらく、いくら言葉を費やしても、どんなレトリックを駆使しても、この作品の素晴らしさを伝えることはかなわないだろう。
とmurataさんが書いてる。早速買って読んだ。
双葉社 (2004/10)
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世の中に差し出してくれてありがとう
夕凪の街で
一生とっておく本です読んでいて、途中から涙が止まらなかった。
僕の母は広島出身。だから広島には子供の頃から何度も遊びに行った。田舎のじいちゃんとばあちゃんは優しくて、夏休みの楽しみは広島に行くことだった。初めてプロ野球を見たのは市民球場のカープとジャイアンツの試合だった。母親の実家は市内から電車で30分くらいのところにある。ばあちゃんに8月6日のことを聞いたことがある。空に大きなキノコ雲があったそうだ。親戚のおばあさんにはケロイドがあった。もしかしてあの日、ばあちゃんが市内に行っていたら、母を産むこともなく、そして僕はきっと生まれてこなかったんだなあ、と思ったのを覚えている。
22ページ。これほどに心をうつシーンはない。僕らは、気付こうが気付くまいが、いつも悲しくて美しい世界の中にいる。
新幹線の中で読了。途中何度も睡魔に襲われたのは疲れのせいもあるし、ちょっと読みづらかったせいもある。でもとにかく面白いことは面白い。サイケデリックな言語学SF。「言葉」が世界を記述するものであれば、「言葉」が現実を超えるための手段ではないか?というむちゃくちゃを、筋道立てて語ってみせる。デタラメと論理がみっちりと交差する。SFとはこうゆうものであって欲しい。
訳者である山形浩生の解説が、いつものようにバシッと本書について語ってしまっているので、そのあたりの読後感の良さも素晴らしい。このけなしているのに気付いたら誉めているという文体は僕は好きだ。
国書刊行会 (2004/10/26)
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