book: 2007年2月アーカイブ
アルフレッド・ベスターと言えば「虎よ、虎よ!」。そしてもう1冊、未読だったこの「分解された男」も第1回ヒューゴー賞受賞作として有名である。
読後の感想。確かに吃驚の小説である。猥雑で下品で乱暴でセクシーで子供っぽくて、知性よりも感覚に訴えかけてくるSF。訳語もメチャクチャ。「おたんちん」「女郎屋」「驚き桃の木」・・・時代を感じさせ過ぎである。そして宇宙規模で大きく広げた風呂敷は、意外なほどに小さく畳まれるが、その卑小さもまた良し。しかも容赦なくこの世の現実を切って捨てる。そして「分解」の意味がわかったとき、読者は爽快な気分とともに、いくばくかの希望を感じるようになっている。なんとまあ親切なことか。素晴らしい。
そうですよ。本部長。ごく月並みな、逃避形式です。人生がきびしくなってくると、こんな人生はすべて架空なんだ、大がかりなペテンの一種だと考え、救いを求める・・・よくありがちなことです。
新年会の時に借りた本。読了。山本監督という人がどういう人なのかがよくわかった。ただのイケメンおじさんじゃなかった。「高校サッカーを変える」も「世界基準の選手を育てる」も、決してマスコミに踊らされて口走ったのではなくて、確固とした信念から生まれた言葉のようだ。
「僕は、叶うと信じていない人は、絶対に夢を叶えられないと思っている。」という言葉もあった。僕はこういう言葉を安易に吐くような人は根本的に信じられないのだが、この本で繰り返される山本監督の言葉からは、なぜか不快感を全く感じない。この人にとってのサッカー、そして高校サッカーの監督という職業は、(あくまでアマチュアスポーツでありながらも)「プロ」として取り組むべき対象なのだ。こういう人は強い。周囲も生徒もついていくだろう。
「野洲スタイル」というのは実によく出来たタイトルだ。まさに彼は人生訓を語っているわけでも、何らかの実践的メソッドを解説しているわけでもなく、単に「スタイル」について書いているのだ。サッカーは、文化というよりも、この人生を過ごしていくための一つのスタイルであり、そこで成功を目指すことは、息をするのと同じくらい自然なことなのだ。オシムもきっとこういう考え方の人のような気がする。
とある筋より、機動戦士ガンダム一年戦争全史 上—U.C.0079-0080 (1)を頂きました。ありがとうございます。
余りにも内容が多すぎて、まだ全部読めていないのだが、まあなんというか、労作である。これは「ガンダム」の世界を徹底的に現実的に歴史考証しようとしている本なのだ。制作当初から下敷きにされていたであろう歴史(第二次世界大戦との類似)もあれば、完全に後付けっぽいもの(コントリズムとか、ミノフスキー理論とか)もある。ただ、その「徹底的にガンダムを現実として考える」という姿勢は鬼気迫るものがあり、なぜそれほどまでの熱意が産まれてくるのか考えさせられてしまうのだ。(というか自分がなぜこんなに熱心に読むのかも分からないし)
30年近く前のたったひとつの作品が、これほどまでに多くの付随物を産むとは当時誰が予想しただろうか?当時のスタッフたちは、種を蒔いたどころか、それこそスペースコロニーを作ってしまっていたのである。3月に出る下巻は買おうと思います。


