book: 2007年7月アーカイブ
フリーで配布してたゲドを読むを入手。あのジブリ映画の「ゲド戦記」DVD発売の宣伝用、とは言え、タダなんでね。映画はもう批判されつくしたから、いいから原作読んでみてくれと言わんばかりの本。
河合隼雄のゲド戦記評(1978年の「図書」掲載)が良かった。「何もしないこと」が一番いい、それが一番難しい、というのはゲド戦記に繰返し出てくる「均衡」というテーマについての論だが、第2巻のこのシーン
ゲドはテナーを泣くにまかせて、なぐさめの言葉はかけなかった。彼女は泣き止んで顔をあげ、遠ざかるアチュアンの島をながめるようになってからも、彼はなお、口をきかなかった
を評して
なかなかこうはできないんですね、なんか言わんでいいことを一言いいにいったりするから、斬りつけられたりたいへんなことが起こるんですが
と言ったりしていて、はっとさせられる。確かに言葉が必要でないとき、魔法使いは何も話さないのだ。もちろん魔法も出来る限り使わないのだ。それがこの話のヘンなところである。
あとゲド戦記はアメリカの女性が書いているかから、東洋思想の取り入れ方がきっちりしていて堅苦しいところがあるとかも、確かにそうだなあと思ったり。
訳者の清水真砂子さんのインタビューも良かった。ル・グウィンは料理がうまいらしい。しかも素朴な料理。なんとなくわかる話ではある。

