cinema: 2005年6月アーカイブ
ライフ・アクアティックを見に行った。
素晴らしい映画だった。
デヴィット・ボウイをギターで弾き語る(しかもポルトガル語)乗組員(セル・ジョルジ)の名前は「ペレ」。だけど最高のZiggy Stardust。異様なまで細部へのこだわりで、細かい笑いをとる部分と、無茶苦茶適当な部分が同居してる。
かっこわるいオッサンの映画を見ると、なんとかやっていけるような気持ちになる。ビル・マーレイはピンと背筋を伸ばし、はっきりとしゃべる。adidasを履き、青い服を着て、赤い帽子をかぶる。
ビル・マーレイが良くて、ケイト・ブランシェットも素敵で、ウィレム・デフォーもアホらしく、音楽がクールで、ベラフォンテ号はとても楽しくて、そして冒険の舞台となる「海」は、ただの海でしかないんだけど、限りなく美しい。(琵琶湖と同じくらいに広い海だ。)新宿の雑踏や、中野の湿気や、目黒の焼肉屋や、そんな全ての日常が、僕たちの生活を囲んでいて、インチキとしか言いようのない世界がいつも広がっている。そんな作り事の中で、作り事の人物が作り事の事件に遭遇し、作り事のエンディングを迎える。だけどそんなインチキだって、ひょんなことからホントのことになり、馬鹿馬鹿しいくらいに僕らを泣かせたりする。大事なことは、本当か嘘か、幸せか不幸せかじゃなくて、目の前にあることを受け入れ、船に乗り込むことなのだ。
バタフライ・エフェクトを見た。
過去を変える映画は沢山作られているが、この映画が他の作品と違うのは、怒濤のスピード感で何度もそれをやってしまうことだろう。感傷にひたる間もなく、この現実にダメだしして、ひたすら過去へ飛び、そして今を変える。SFとしては使い古されたネタを、ちゃんと面白く見せてしまう演出は見事だし、アメリカや韓国でNo.1ヒットになったという事実もうなづける。でもね、日本は「セカチュー」とか「いまあい」とかが(見たことないけど)売れたりするようなトコなんで、現実が気に入らないからって、さあ過去を書き換えよう!と思う映画はウケないのかもしれない。
映画としての野心が感じられて、面白かった。
主題歌はOASISの "Stop crying your heart out"で、これでもかと感動を迫ってくる。
(以下はネタバレ注意)
なんちゅうか、昨夜の酔いが覚めやらぬまま、なぜか早起きしてしまい新宿へ。まったりZガンダム見ようと思ったら、オタクとガキで満員状態。うわーイヤだ。顔から火が出る程に恥ずかしい、というのはこうゆうことを言うのか。映画館に入ってから激しく後悔する。「こんなオタクたちとは俺は違う」「いやいや、お前も同じ穴のオタクだよ」と心の中で自問自答。ああ、当時ハイザックのジャケットのサントラのレコード買ったなあ・・・
俺が中学1年の時の放送だからもう20年前の作品なのだ、これ。当時そのままのフィルムと、新たに作られたフィルムが混じってて、このあたりも不思議な感じ。1話の「黒いガンダム」から14話の「アムロ再び」までを95分にまとめるという無茶苦茶なことをやってるから、とんでもないダイジェスト版であり、更にあと2作映画を作るらしいが、どれも最初のガンダムの映画版以上に圧縮感の強いものになるだろう。もう商売以外の何ものでもない。
Zガンダムというのは、非常に困った作品である。難解な勢力分布(戦争ではなく軍の中の内紛だから)、気障なセリフ、説明的なセリフ、そして全体的に観念的で恥ずかしい。(今見てみると余計にそう思う)「アニメは子供のもの」から脱却する為に、きっと当時の作り手たちは無理をし過ぎたんだろう。で結果として大失敗したのかと言うと、視聴率は悪かったものの玩具(というかプラモデル)は売れたみたいで、その直後にガンダムZZなんて続編まで作っちゃったのである。
親父は愛人と浮気している。かつてのヒーローは政府に疎まれて半幽閉状態である。軍はニュータイプを人工的に作る為に人体実験みたいなことをやってる。そして核兵器が使用される。。。、救いのないことばっかり。
・・・結局のところ痛感したのは、自分は20年前からあんまり変わってないんだ、ということ。なんかに熱心になり、詳しくなったりすることを始めたのはこの頃だったのだ・・・と暗い気持ちになって映画館を出たら、とってもいい陽気で、余計に暗い気分になった。

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