cinema: 2006年8月アーカイブ
渋谷のシネマ・アンジェリカで、王と鳥を見た。
「ジブリの原点」という謳い文句にウソはなく、まんま「カリオストロの城」の元ネタと思われるシーンとか、ラビュタや千と千尋を思わせるようなシーンもあった。そしておそらく、もっとも影響を受けているのはアニメーションが持つ「寓意」の仕込み方だろう。イデオロギーや社会風刺として「寓意」を利用するのではなく、もっと根源的に世界そのものを語ってみようと試みること、それが寓意にあふれた映画の最大の面白さではないか?
公式サイト中、高畑勲の発言で、深く感情移入することや、それとは逆に反感を覚えたりすること。それら感情の作用のみに寄りかかった映画はひどくつまらない、という主旨の言葉があった。どうしてその感情を生み出す、世界の構造そのものを描こうとしないのか?ジブリがピクサーよりもすごいアニメーション映画を作れるとしたら、そういう視点で勝負するしかないのではないかという気がした。「擬人化」としてのアニメではなく、「世界の可視化装置」としての、映画を見てみたい。そして「王と鳥」はまさにそういった種類の、素晴らしい映画だった。


