music: 2006年8月アーカイブ

I Am Not Afraid of You and I Will Beat Your Ass

ヨ・ラ・テンゴの新作、日本盤を買った。素晴らしい。いつもヨ・ラ・テンゴを聴きながらいいなあ・・と思うことの一つが、なんとなく聴きながら良く眠れる音楽だということだ。誉め言葉にならないのかもしれないが、どれだけノイジーな曲であろうと、その浮遊感にやられてしまう。いきなり10分を超える1曲目から、最後まで一貫して、なんだか「ぼんやり」している。

目が覚めるような鮮烈な体験をしたい。圧倒的な幸福感や高揚感に包まれたい。涙が枯れる程泣いてみたい。。音楽を聴くときに、もっぱらそんな極端な感情を僕らは疑似体験したいと思ったりするわけだが、ヨ・ラ・テンゴのアルバムはそんなことよりも、人生の多くの割合をしめる、「ぼんやりとした時間」をなんとか切り取ろうとしているように思う。タイトルだけはテンション高めだが、基本的には遠い目をして、もしくは目を閉じながら聴くものなのである。

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土曜日。サマーソニックに行ってきた。フジロックに7年通ったのだが、今年はお休みしてサマソニにしてみた。

ウチから1時間ちょっとで幕張に着いた。フジロックに比べるとなんとお気楽なことか。軽装でいいし、宿泊費もいらないから金もかからないし、トイレは仮設じゃないし、まあこれぞ都市型フェスという感じだ。そして予想はしていたが客が若い。ガキばかり。むー。

朝イチで観たもの。JOHNNY BOY。男女デュオのパンクバンドだが、ベースだけブーツィー・コリンズみたいだった。ちょっといい歌もあって、最後はラモーンズのカバー。30分で終わり。短い。学祭かと思った。

アイランドステージとかビーチステージを散歩。マリンスタジアム・・・全くひかれる出演者がいないので、結局一度も足を踏み入れることはなかった。メタリカのTシャツを着ている人が沢山いたが、なんとも巨大な断絶を感じる。

EL PRESIDENTE。元気な人たちでした。THE CARDIGANS。すっかりオバちゃん。まあそんなもんだろう。この時に外は激しい雷雨だったらしく、アイランドとかビーチステージは演奏中止になったらしい。リバーサイド・ガーデンというところで演奏するハンバートハンバートを観ようと思っていたのだが、ここもやっておらず。テントに行ってInk。石野卓球&川辺ヒロシ。これは気持ちよかった。「氷の世界」。間奏のハープがビヨンビヨンの電子音で奏でられる。でもこれもあっけなく50分ほどで終了。そうか、サマソニって効率よく沢山観られる代わりに、物足りなさを感じてしまったりするものなのね。

アイランドステージに行ってPUFFY AMIYUMI。聞くところによるとアメリカツアーではボノとかも子供を連れて見に来るくらいの人気らしいが、日本ではやっぱりUS仕様のキレのある曲よりも、普通にヒットした曲で盛り上がる感じでしたね。雨上がりの夕焼け。

メッセに戻ってTHE CHARLATANS。懐かしかったが、THE ONLY ONE I KNOWをやる直前に会場を出てしまった。(3人で行ったのが、それぞれ最後はDAFT PUNK、MATISYAHU、Flaming Lipsとバラバラになったのだ。俺は最後までMATISYAHUと迷って、結局Flaming Lipsに。)

最後はFlaming Lips。なんという!素晴らしい!無駄に美しいライブだったことか。無限に吐き出されるかように飛び乱れる紙吹雪、ステージが見えなくなるほどの風船。大量にステージの上で踊る、サンタクロースの大群と宇宙人?の大群。後方にはまた無意味に大きい宇宙服と宇宙人とサンタクロース。スーパーマンとかスーパーウーマンがステージをウロウロしている。クラッカー、拡声器、ギター、ドラム、ベース、キーボード・・・決して万人に受入れられるような聴きやすい曲を作っているバンドじゃないのに、この圧倒的な「全てのものに愛を」みたいな空気は何なのだ。何かが決定的に間違っているのに、このステージと観客たちはその間違いを笑いながら受入れている。びっくりしながら、無意味に涙が出る程の幸福感に包まれる時間。透明の風船の中でくるくる回り、いきなり始まった"Race for the Prize"。もうこれだけでも今年サマソニ行ってよかったと思った。

↓これよりもっと派手だったような気がする。他にも検索すると大量にRace for the Prizeのフェスでの画像があがっている。どれもアホらしいまでに神々しい。

ライブが終わって、ビール飲んで、混んだ電車に乗って、家に帰って来たら12時を少し回ったくらい。なんというか、あっというまに現実に戻ってしまう。逃避として機能させる為には、不便で非効率な方がいいことも世の中には沢山あるな・・・と思ったのであった。