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『死刑』森達也

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う近所で手袋を片方落としたが、見つかった。よかったよかった。人の優しさ身にしみる冬の終わりに、森達也の『死刑』買う。さっきちょっと間があいたので一気に読了。死刑をめぐる三年間のロードムービー、という惹句どおり、受刑者被害者を含む死刑に関わる人々との接触を通じて、森達也が延々悶々と悩み続ける。「存置であれ廃止であれ、論理で死刑を考察する試みはもう擦り切れてしまっている」と言い(まったくだ)、ではその擦り切れた試みを越えてこの制度をどう考えるのか?想像通り、万人の溜飲が下がるスカッとした結論など得られるわけもないのだが、巻末において森氏が絞り出した(祈りのような)想いは、素直に読むことができた。読後、次々とたちのぼるもやっとした心情を一旦抑えつつ、手袋をとりにいく準備をする。

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