右も左もわからない状態のもと、優れた作曲能力と独特の柔らかいテンションでていねいに録りためた音源を収めた1stアルバム「
punkchill (Listening is not enough)」からはや2年。おかげさまで想像以上の好評をいただき、メンバーの自信もようやく人並みからちょっと足りないぐらいまで持ち上がりました。 この勢いで次回作を!と打診したところ二つ返事で快諾、してくれたのはいいものの、「次のはプログレになります」というよくわからない宣言とともにバンドがスタジオにこもり始めること延々数十日。季節が一回りしたある日、「プログレとはちょっとちがうふうになりました」という更に不可解な言葉とともに音源を聴かされたスタッフ一同は「確かにプログレではない。だが、これはいい」と快哉叫び、待ちわびた日々を取り返す勢いで発売に至った次第であります。
前作からうっすらと漂っていたサイケデリックな風合いは、妄想が暴発した歌詞と共鳴。浮遊感に加えて現実がねじれるような音像に昇華しており、言葉足らずで「プログレ」と言ったメンバーの本意が分かろうというもの。幻が目の前に立ち現れてくるという意味ではファンタジーと呼んでさしつかえないものかもしれませんし、ゲド戦記を超えたと言ってはさしつかえがあるかもしれませんが思念のスケールはひけをとらない、と言わせてもらいます。もちまえの切なく愛らしいトーンと交錯しながら、聴き手の脳に不思議な像を映すことでしょう。老後の心配や税金の計算で頭がいっぱいいっぱいな我々の想像力の範疇などはるかに超えた、女性三人組の妄想力を存分にご堪能いただけたら、と思います。
時に演奏力を無視して発せられる奔放に過ぎるアイディアは、ゆらゆら帝国などの仕事で知られる中村宗一郎氏による素晴らしすぎる録音&ミックスをもって全11曲に絞り落としていただきました。10月19日発売予定、何卒宜しくお願い申し上げます。
店頭発売日は
2006年10月19日。発売日以前でも
当サイトご予約可能、毎度お世話になっておりますインディー音源流通会社・
(株)bridge様のカタログからもご購入いただけます。その他、皆様のお近くのCD店鋪でもご注文いただけます。
14歳の時に「バンドをやりたい」と思いついたタガミアキコ(b、vo)が、その10年後、隣にいた友人コヤマヒトミ(g、vo)にその旨うちあけて結成されたバンド。早々に手に入れた楽器の使い方を学ぶ前に、こつこつ作り続けた曲の出来がたいへんよろしく、本格的に活動することを決意する。決意した後に、ドラマーがいないことに気付いたものの、2000年12月、よくわからないいきさつで知り合ったハネダアキが参加することになり、以降同メンバーで都内を中心にライブ/レコーディング活動中。 昨年発売された、こぐまレコードのオムニバス『BEARS BANQUET VOL.1』で聴ける2曲の既発音源が高い評価を受け、同レーベルでデビューすることに。